建物の塗装を考えた時に次回の塗り替えはいつですか?と聞かれることがあります。
これは塗装会社からすると外壁塗料の耐久性から目安を応える事が普通です。
でも、実際は・・・
建物は立地条件や建材によって違いがあるんです。
よい塗料や高価な塗料を使用しても、必ず安心というわけではないです。
塗料の耐久性と次回塗り替えに違いがあることも・・・
『モルタル外壁のヒビ割れ(クラック)』
地盤や開口部の多い建物などは構造的に目安よりも早い時期に多くヒビ割れが発生してしまう事があります。
高価な塗料を使用して塗料の耐久性が良くても塗り替え時期が早まる事があります。
『サイディングのシーリング劣化』
建物の外壁に使用されるシーリング材が時間とともに劣化し隙間や亀裂が生じてしまいます。
これは、温度の変化や湿度によって膨張したり収縮したりするので、この繰り返しが劣化して硬化したシーリングに影響してしまう事が原因です。
そもそも次回の塗り替えタイミングはメインの外壁塗料を基準にしていますので木部や鉄部などは部分的にメンテナンスが必要になる事も少なくありません。
『木部の劣化』
〇木材は温度や湿度の変化で伸縮するので塗膜が追従できずヒビワレや膨れ、剥離することがあります。使用している木材により5年~7年程度で木部は塗装が必要になることがあります。
『鉄部の劣化』
〇鉄部は錆や塗膜の劣化が軽度のうちに部分補修を行うことがメンテナンス時期を延ばすことに繋がります、錆が発生したら早めに塗装を行うことや部分的に補修をすることが大事です。あまり錆びてしまうと次回の塗装工事が早くなることがあります、建築塗装は錆落としを行いますが錆の内部浸食は根深くなっていると落としきれない部分が、年月とともに錆が内部で進行し、塗膜を押し上げて剥がれる原因になります。
多くの方は塗装工事は塗料耐久性から次回の塗り替えを考えますが、実際には下地材によることが大きいです、サイディングの伸縮や木部や鉄部など、どのようなものを使用してグレードはどれくらいかにもよってくるので次回塗り替え目安はある程度の期間後にお客様が状態に異常があるのではないかといった場合に業者と相談することが必要になります。
塗料の耐久性は劣化によるチョーキングが発生するまでの期間ということがあるので、塗装工事の場合には保証が曖昧な部分でもあります。
『経年劣化とは、時間の経過とともに物や素材が劣化する現象をいいます。』
下記に考えられる塗装の経年劣化を例に簡単にですが説明しておきますが、それ以外にも要因は様々です。
〇経年劣化の物理的な要因
繰り返しの使用や摩耗、振動、衝撃などによる物理的な要因
道路や線路近くの建物では車や電車の通過による振動が伝わります、その他にも地震や風圧などで影響を受けることもあります。
人がよく触る部分や歩行する床などは摩耗し塗膜の劣化が早まります。
〇化学的な要因
酸化、腐食、紫外線、湿気や水分による影響による化学的な反応。
紫外線により塗膜中の樹脂や顔料が分解され、塗膜が劣化していきます。
〇環境的要因
温度変化、湿度、風雨、日光、汚染物質、立地条件などによる自然環境による要因。
酸性雨などの影響でも、酸による色褪せや艶、塗料の弾力性の低下など様々な影響を受けます。
〇生物的要因
カビやコケ、微生物や菌などの生物による影響。
腐朽菌は木部のセルロースやリグニンといった有機物を分解してしまいます。木材の硬さや強度が失われ、腐敗が進行します。腐朽菌によって分解されると脆くなり最終的には朽ちてしまいます。
経年劣化を思い当たる部分だけ簡単に説明しても、このように様々な要因が塗装工事の耐久性に影響をしてしまいます。
次回塗り替え時期というのは、目安にしかならずある程度の期間で専門業者による診断をしてもらうのが理想になります。
塗り替えを行った場合当社では10年~13年後に現地調査を行い次回塗り替えを行う事が理想と説明をしていますが、部分的に気になる部分は点検やメンテナンスを行うことで建物を保護し長く安心した維持ができると考えています。