塗装工事をしていると窓がビニールで塞がれて室内に臭いが充満してしまい、不安やストレスを感じるとおもいます。
塗装工事の臭いに対しての不安は住んでいる方や近隣の方が感じる自然な反応です。特に揮発性有機化合物などの化学物質が含まれている塗料では、健康への影響が気になるのは当然のことです。
塗装工事で使用される塗料や溶剤から発生する臭いには、人体に影響を及ぼす成分が含まれている可能性があります。影響の程度は、使用する塗料の種類、施工場所の換気状況、接触時間、そして個人の感受性によって異なります。
塗装工事を行う際にはこういった不安を軽減し、安心して塗装工事に臨むための説明が必要になることもあります。
『主な症状として』
中枢神経への影響: 頭痛、めまい、吐き気、倦怠感などです。
〇子供がいる場合
子供の嗅覚は成長とともに変化していきます、臭いに対する感受性が高いためです。
年齢とともに嗅覚受容体の数や感度が低下するため、大人は一部の匂いを子供ほど敏感に感じ取れないこともあります。
お子さんがいる家庭は、これを理解し、お子さんが気にならないよう換気をしてください。
〇女性と男性での違い
女性は男性よりも多くの匂いを識別しやすく、微妙な違いにも気づきやすいとされています。
男性と女性の嗅覚の差を具体的に表現するのは難しいですが、いくつかの研究から女性の嗅覚は男性よりも1.5倍から2倍程度敏感である可能性が示唆されています。
妊娠中は嗅覚がさらに敏感になることがあり、特定の臭いに対して強い不快感を感じることがあります。
塗装工事中に奥様の方が気になると言われることが多いのが実際にあります。
〇ペットがいる場合
特に鳥は呼吸器が非常に繊細で、少量のVOCでも重篤な影響を受ける可能性があります。
ペットは人間以上に嗅覚が敏感で、塗料の臭いがストレスや不安を引き起こすことがあります。
VOC(ホルムアルデヒド、トルエン、キシレンなど)は、ペットの呼吸器を刺激し、咳、くしゃみ、呼吸困難を引き起こすことがあります。
動物により症状の違いがありますが、特に塗料は口に入らないように十分に注意してください。
【健康被害が疑われる場合】
体調不良を感じた場合は、すぐに医師に相談するようにしてください。
『揮発性有機化合物(VOC)とは』
常温で容易に揮発し、気体となる有機化合物の総称です。
トルエン、キシレン、エタノール、アセトンなど。
揮発性が高く、施工中や乾燥時に空気中へ放散されます。
油性塗料は揮発することで塗膜を形成しますので乾燥するまでは臭いが強いです。
『ホルムアルデヒドとは』
VOCの一種で一部の塗料や接着剤に含まれる化学物質で、臭いの原因の一つ。
シックハウス症候群が社会問題化したことを受け、ホルムアルデヒドを含む有害物質の放散量を減らすF☆☆☆☆製品が求められるようになりました。
『シックハウス症候群とは』
住宅や建物内の空気環境が原因で居住者に健康被害を引き起こす現象を指します。
塗装工事における臭いや健康被害対策
〇塗装工事における塗料選定
2003年に日本の建築基準法が改正されました。
ホルムアルデヒドを放散する建材の使用が制限されるようになりました。
F☆☆☆☆以外の建材には、使用面積の制限が設けられています。
フォースターはホルムアルデヒドの放散量が最も少ない等級で、安全性が高いとされています。
国土交通省の基準で、フォースター製品は使用量や使用箇所に制限がないとされています。
塗料の缶や製品のカタログには「F☆☆☆☆」マークが記載され、安全性をアピールしています。
〇可能であれば低臭または無臭塗料を選ぶ
〇水性塗料の塗料を使用する。
水性塗料は、有機溶媒(トルエン、キシレンなど)の代わりに水を主成分として使用しています。有機溶媒を含む油性塗料は揮発する際にVOCを大量に放出しますが、水性塗料はこれが大幅に抑えられています。
〇十分な換気を確保
窓やドアを開け、空気が流れる環境を確保する。
現在の塗料は現 F☆☆☆☆(フォースター)の基準を満たすものが主流となっています。
※但し、塗装工事中に臭いが気になる場合には十分な換気をしてください。
塗装工事で窓をビニールで塞がれてしまいますが、内部からビニールを切って臭いを外に排出するようにし、新鮮な空気の入れ替えが安全です。
塗装工事をしていると我慢してしまう方もいますが、外部作業している職人は中の臭いの状態はわからないので作業員に言って換気できる状態にしてもらうのもいいです。
当社の場合、臭いが気になる場合は換気が必要ですので職人に言ってもらうか、カッターで大きく切り込みをいれても大丈夫ですと事前に説明しています。
塗装工事の臭いは不安やストレスを感じることが当然ですので、フォースター製品だからと無理はせず、換気は十分に行うことが大事です。