今回は木部の塗料専門メーカー和信化学工業株式会社さんに勉強会の方、行っていただきました。
木部の塗装は現在の新築では、出来合いで搬入取り付けされることが多いので、塗装工事をするといっても中々経験しにくい部分です。
未来のためにSDGsなども世界中で協力して取り組んでいることから今後は木部塗装が必要な部分が増えるとおもいます。
木部の塗装がなぜ難しいかというと、吸い込んで木目を残すために、塗直しができないことや木によって調色した色が変わってしまったりと非常に繊細で長年の経験や知識が必要になるからです。
そこでこういった勉強会は今後の技術の継承など普段扱っている塗料や新塗料などを常に勉強して経験し続けることが必要になっています。
≪塗料比較と用途≫
◎ステイン塗装には知識と経験が必要
昔は油性の塗料を薄めて調色をして色をつけていましたが、最近では水性塗料が普通になってきました、木目を残して色をつけるのでムラになりやすかったりしますので塗り方や塗装工具にも注意が必要です。
丁寧な下地処理と適正な下塗りを使用する必要があります、どの下塗りを使用した方がいいかなどはメーカーさんが詳しく、同じような品物でも塗る場所で下塗りを変えるなど細かな知識が必要で奥が深く非常に勉強になりました。
上塗りに使用する塗料も水性ですが、用途により塗装する部位によって変える必要があるため塗料選びも非常に慎重にしなければならないことを付着試験などで実践してくれましたので分かりやすい反面、難しいと改めて感じました。
適正な付着試験の実践は今後とても役にたちます、テープや角度やクロスカットや剥がし方などは、なかなか教えてくれる方はいませんからね。
塗料がよくても、その扱いなど経験を積み重ねなければ出来ない塗装工事でもあります。
◎ガードラック
木材保護塗料とは、木の呼吸を一切妨げません。
一般的なペンキは木材の上に膜を作って木を覆うので、木材の吸湿性が損なわれて木材が腐ってしまうことがあります。
ガードラックは強固な塗膜を作り、木材を紫外線やシロアリなどから守ります。
乾きにくい塗料でもあるので臭いも長く残ってしまうこともあるので、水性塗料を使用することで臭いの軽減にもつながります。
浸透タイプと造膜タイプがあるので使い分けは必要になります。
よくあるキシラデコールと同じ用途ですが、キシラデコールの方が知名度がありますが性能は同等であると感じました。
耐候性は造膜タイプが良いということですが、膜があるため木目は目立たなくなってしまいます。
≪よくあるトラブルとその対応≫
【密着不良】 密着をよくするための研磨の当て方も非常に大事で試験塗などが鍵になります。旧塗膜との相性もあるので塗料選びも慎重に行う必要があります。
下地の状態が良くても見た目では判断ができない難しさがあります。
【白化現象】 面積が大きい場合にローラーでの塗装をすると泡が発生して目には見えないマイクロバブルが起き白く見えてしまうのでローラーでの塗装は向かないのでハケやコテバケ、専用工具を使用することで対策。
不燃木材への水性塗料の白化が起きる場合には、不燃木材の薬品と水性塗料の反応が考えられるということです、起こってしまうと塗膜を剥がすことになるので十分な注意と事前試験施工が必要になります。
塗装する場合には塗料選びや塗回数など慎重な工程が大事になります、こういった問題があるので木部の塗装は本当に難しいです。
【周辺基材への汚染】
塗料ではなく、木材からアクが基材のアルカリと反応して変色してしまうことがあるそうです。
コンクリートや漆喰のアルカリ成分と反応すると濃い色に変色してしまい塗料が流れたように見えます。
知らないところではあったのですが、対策が難しく手間がかかるために施工した場合には事前説明などを十分にしておく必要があると思いました。
木部の塗装工事のトラブルは手直しが非常に大変になります、慎重に準備や施工方法を決めておくことでトラブルにならないように注意をすることで安心できる塗装工事となります。
今回の和信化学工業(株)さんには時間を押して勉強会をしてもらいましたが、普段思っている疑問なども多くあるので直接会って相談できる機会というのは本当に感謝しかありません。
今後なにかあれば、お気軽にご連絡くださいと言ってくれたので、とても頼もしいです。
勉強会も終わりその後懇親会へ、懇親会中にも色々な質疑に対して回答していただきありがとうございました。
今後は塗装工事施工店に聞きたいことがあれば、いつでも連絡くださいと伝え今回の定例会は完了しました。

