建物などの塗り替え工事を行う場合、お客様はネットでいろいろと調べてどの塗料がいいなど事前に検索などしている方も多いです。
重要なのは建物に合った塗装工事になるので、塗装会社と打ち合わせをして納得できることで安心や信用に繋がります。
建物でどのような塗料がいいのか、その中でラジカル制御型塗料というものが普段塗装と関わりのないお客様に安心して頂くためにラジカル制御型塗料についての説明をすることがあります。
【塗料の耐久性による順位】
あくまでも目安であり環境や塗料メーカーにより違いがあります。
〇アクリル塗料
耐久性: 約5~7年
〇ウレタン塗料
耐久性: 約7~10年
〇シリコン塗料
約10~15年
◎ラジカル制御型塗料 この部分の塗料説明になります。
耐久性: 約12~16年
〇フッ素塗料
耐久性: 約15~20年
〇無機塗料
耐久性: 約20~25年
『ラジカル制御型塗料は、塗料の劣化原因となるラジカルをコントロールする技術を用いた塗料です。』
ラジカルとは
ラジカルは分子内で対になっていない電子を持つ化学種のことです、この不安定な状態によりラジカルは他の物質と容易に反応し、連鎖的な化学反応を引き起こします、塗膜が劣化する際には、このラジカルが大きな要因となります。
ラジカル発生の主な原因
〇太陽光に含まれる紫外線は、塗膜内の樹脂分子を直接的に分解します。このプロセスでラジカルが発生します。
〇紫外線によって発生したラジカルが酸素と反応することで、酸化反応が進行します。
この酸化連鎖反応が塗膜の劣化をさらに加速させます。
〇日射により外壁が高温になることで劣化が早まることがあります。
〇紫外線や熱で分解された塗膜の分子が、水分と反応することで劣化が進む場合があります。
ラジカルが塗膜に与える影響
〇チョーキング現象
塗膜表面が劣化する現象です。樹脂がラジカルによって分解され触ると塗膜が粉上になります。
〇色あせ
塗膜の色素がラジカルの影響で分解され、色が薄くなったり変色したりします。
〇塗膜のひび割れ・剥がれ
塗膜の弾力性が失われ劣化することでひび割れや剥がれが発生します。
ラジカルは、紫外線、酸素、熱、湿度などの影響で発生し、塗膜の劣化を引き起こす主要な原因です。
しかし、メーカーの開発により塗料ではラジカル制御技術を活用して、劣化を遅らせることが可能になっています、この技術により塗膜の寿命が延び、外壁の美観や機能を長期間保つことができます。
フッ素や無機塗料ほど高額ではなく、シリコーン塗料よりも耐久性が高いため長期的に見ても費用対効果が優れており、十分な実績があるため現在ではスタンダードな塗料となっていることが多いです。
簡単に言ってしまうと、塗装の劣化に化学反応を制御する塗料ですので長持ちします。
それだけだと分かりずらいのと混乱してしまう事もあるので説明が難しいんです。
※当社の考え
木造住宅は建物全体の点検を実施する場合、10年から15年で行う事が当社では、よいと思うので足場を組んで次回の塗り替えタイミングで全体を点検するのが理想だと考えているのでラジカル制御型塗料は点検サイクルからも使用することが多いです。
足場を組む時は全体を確認できるチャンスでもあります。
塗料は建物やお客様要望によって決めることですので、見積もりや現地打ち合わせで説明をすることが大切ですがラジカル制御型塗料の説明は難しく、耐久性によっての塗料のランクで簡易的に説明することがほとんどです。
建物は同じ建物を塗装工事ですることが塗装会社でもほぼありません、塗料の提案は立地条件・構造・下地材などによっても変わります、現地調査をした上でフッ素や無機の提案をすることもありますので塗装工事をする際には塗装会社の方へご相談ください。
口頭で説明してもわかりずらいので、ここにコラムとして書いておくことにしました。
※塗料は年々進化していきますので、今現在です。
今後また新しい塗料開発により内容を更新することがあります。